近年人気の屋根材、洋瓦のデメリットとは
素焼きで素朴な風合いの洋瓦は近年人気の屋根材です。
しかし、日本の風土にベストマッチの屋根材とはいえないもの。
和瓦と比較すると、メンテナンスコストがどうしてもかかってしまうのが、洋瓦のデメリットとなっています。
白い壁と赤茶色の屋根、近年人気の住宅のスタイル。
南欧風とかスペイン風とか、そんな名前がつけられているものです。
この赤茶色の屋根を実現するための屋根材が洋瓦。
艶がないのが特徴で、表面がフラットのF式と、波打っているS式の2種類に大別されるのです。
粘土を素焼きにして瓦として使う、これが洋瓦の特徴。
何とも素朴であたたかみのある仕上がりになりますから、非常に人気の屋根材となっているのです。
そんな素焼きの洋瓦、タイル状にするとテラコッタと呼ばれたりするのです。
テラコッタはバルコニーなどの床材としても人気の素材。
理由は屋根材同様、そのあたたかみのあるルックスでしょう。
加えて、触感の良さもテラコッタの特徴。
洋瓦同様、釉薬がかかっていませんから、陶器独特のヒヤッとした感触がないのです。
近年では室内の床材にもテラコッタを用いるとか、そんなケースも増えてきています。
釉薬がかかっていない洋瓦。
だからこその色味・触感、そこが洋瓦の魅力ではあるのです。
しかし、水が染み込んできてしまうのが洋瓦の弱点。
釉薬がかかっている和瓦ほど、防水性が高いとはいえません。
だから、防水性を補うために、洋瓦を使った屋根は傾斜を大きくする必要があるのです。
加えて、屋根材の表面がざらついているので着雪がひどいとか。
雪が降った場合に滑り落ちることなく、洋瓦の表面にひっついてしまう。
これにより落雪の被害は防ぐことはできるでしょうから、この点については一長一短。
一概に洋瓦が悪いとは、言えないかもしれません。
色々な様式の住宅が混在する、日本の住宅地。
これを見ていると忘れがちになるのですが、住宅とは本来風土とは切っても切れない関係にあるもの。
その土地ごとの風土に合わせて工夫が積み重ねられてきた結果、それぞれの様式が出来上がっているのです。
南欧などで使われている素焼きの洋瓦。
これは、雨が少ないという南欧の風土に合わせて発展してきた屋根材。
雨の多い日本の風土には合わなかったりするのです。
日当たりの悪い箇所の洋瓦、当然の様に表面に苔が生えたりするでしょう。
和瓦と比較してもメンテナンスコストがかかってしまうでしょう。
しかし、それを覚悟してでも使いたくなる魅力がある屋根材なのが洋瓦。
色目が違う洋瓦をランダムに並べた様子には、他の屋根材では得られない魅力があるのです。
使うなら、覚悟を持って使用するべき屋根材。
かなり大げさになってしまいましたが、そんな屋根材が洋瓦なのです。
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