理想の屋根材のために鉄板に一工夫
鉄板は理想的な屋根材である反面、弱点も多く持っています。
その弱点を克服するためのメッキを鉄板に施したのが、ガルバリウム鋼板。
屋根材として完璧なものとなっていますから、新築・リフォームに関わらず、現在広く使われるようになっています。
鉄板で作られた屋根材と聞いてすぐに思い浮かぶのは、トタン屋根。
昭和の住宅や工場、店舗などに用いられているトタン屋根の一番のメリットは、材料費が安い点。
大量に製造できる上に軽量な屋根材ですから、材料費も安ければ運賃も安い、軽量で施工も難しくないので短工期。
このようにいいことばかりのトタンの屋根材なのです。
しかしトタンとは亜鉛をメッキした鉄板のこと、鉄板ですから一番のデメリットはサビが出る点。
サビを防ぐための亜鉛メッキですが、どうしてもメッキ自体が弱いというデメリットがあるのです。
ですから築10年程度で雨漏りがする。
塗装などメンテをおこなっていれば問題はないものの、昭和の住宅によくあったトラブルです。
加えて軽量な屋根材だから地震に強く構造に負担をかけない反面、強風に弱い。
竜巻の発生でトタン屋根が飛んでしまう、こんなニュースはしばしば耳にします。
後は雨音が響き暑い、薄い鉄板ですからカンカンうるさいですし熱がこもるのです。
そんなトタンの屋根材の弱点を補い、近年人気の屋根材はガルバリウム鋼板。
素材自体はトタンと同じ鉄板なのですが、亜鉛メッキでサビを防ぐ工夫がしてあります。
ですから、トタンよりはるかにサビに強いという点が特長。
ガルバリウム鋼板が使われ始めたころは、切り口から他の鉄板のようにサビが広がるというトラブルもよくありました。
しかし、近年では施工する側もこんな特性をよく知っていますから、サビの問題はずいぶん軽減されました。
次に、鉄板特有の熱の問題、トタンなら熱がこもるという問題がありましたが、ガルバリウム鋼板の色はシルバー。
光と同時に熱も反射する特性を持っていますし、裏面には断熱材が貼ってあるもの。
ですから熱の問題もほとんどない、これがガルバリウム鋼板の優秀な点です。
後は、鉄板ならではの雨音の問題、カンカンという音は屋根材として耳障りなもの。
しかし、近年のガルバリウム鋼板は表面に石粒を付けて雨音を軽減させる工夫がされています。
ガルバリウム鋼板は鉄板ならではの良い点も引き継いでいます。
加工が容易な点、軽量な点、つまり工賃も安ければ、素材自体の価格が安いのです。
ですから新築の住宅でもリフォームでも、広く屋根材としてガルバリウム鋼板は使われるようになりました。
鉄板の屋根材としての弱点を克服し、良い点を引き継いだガルバリウム鋼板。
現在のところは、理想的な屋根材と呼べるものなのです。
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