屋根材に適した鉄系素材はガルバリウムとステンレス
優れた鉄の性質を屋根材に特化させたのがガルバリウムとステンレス。
サビやすいという鉄の弱点を、メッキや合金で克服。
結果、屋根材として非常に優れたものとなっています。
他に鉄の代替としてアルミも考えられるのですが、価格面でのネックが大きいのです。
価格が安く強度も高い、加工も容易、鉄はとても身近な素材です。
その一方で、重量がありサビるという欠点もあるもの。
ですから、屋根材に用いる場合は重量とサビ、両面の対策が必要となってきます。
重量面では用いる鉄を薄くするという方法がありますし、サビの面では塗装やメッキを施すという方法がある。
鉄に両方の加工をおこない、屋根材や外壁材として適当な性質をもたせたのがガルバリウム鋼板。
リフォーム用として近年ポピュラーになりつつあるものですね。
加えて、屋根材に鉄を用いる場合、特に熱や雨音についても対策をしなくてはならない。
ガルバリウム鋼板の場合、熱は屋根材独特の銀色や裏面の断熱材で。
雨音は表面に天然石などを吹き付けることで、対策をおこなっています。
さて、そんなガルバリウム鋼板といっても鉄にメッキを施したもの、サビの対策は完璧とはいえません。
そこで、ガルバリウム以外で、屋根材に用いるのに適当な鉄系の素材といえばステンレス。
鉄とクロムの合金で、水分はもとより薬品などの腐食に非常に強い。
キッチンなどの流し台や化学系のプラント、自動車のマフラーにも用いられています。
でも、ステンレスって高くないの?
ステンレスといえば高級時計にも用いられている鉄系の素材、100万円を超える価格の時計の外装がステンレス。
こんなことも珍しくありません。
しかし、同じステンレスでもクロムを含有させる割合や、ステンレスを鍛造する方法で価格はずいぶん異なるもの。
屋根材に用いるステンレスは高いといっても、ガルバリウム鋼板をやや上回る程度。
高級時計に用いられているステンレスとは、質も価格も全く違うので、それほど高価なものでもないのです。
まあ高級時計のステンレスも、実はそれほど高価なものでもないのですが。
屋根材にステンレスを用いることで同じ鉄系のガルバリウム鋼板よりも、耐久性はさらに高くなります。
例えば大手住宅メーカーのセキスイハイムは、陸屋根を採用しているモデルの一部でステンレスを標準で採用。
これからも鉄系の素材の中でも、ステンレスが屋根材として優れていることがわかるはずです。
鉄の代替素材としてステンレス以外に用いられるのは、アルミ材。
鉄よりも軽く、ステンレスよりもサビにくいという、非常に理想的な屋根材でもあります。
しかし、大きなネックは価格が高いという点と、施工できる業者が限られているという点。
リフォームに用いるとするならば材料費だけで天然スレート、もしくはそれ以上という、相当な出費を覚悟しなくてはいけません。
鉄系の屋根材で検討する場合は、ガルバリウム鋼板か、ステンレスか。
この二択で考えるのが、現実的なのです。
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