優れた屋根材、ガルバリウムの弱点は断熱効果の低さ
ガルバリウム鋼板は優れた屋根材ではありますが、断熱効果が低いという弱点があります。
断熱効果を上げるために、表面を加工するなど工夫はされていますが、やはり屋根材としては弱点があるといえるでしょう。
近年、よく使われるようになった屋根材といえば、ガルバリウム鋼板をあげることができます。
薄い鉄の板に亜鉛とアルミニウムでメッキを施したのがガルバリウム鋼板。
それ以前に用いられてきたトタンなどの金属の屋根材と違い、錆びにくいというメリットがあるのです。
加えて非常に軽量とか、材料費が安いとか、様々なメリットがあるガルバリウム鋼板。
それだけに、広く使われるようになり、特に老朽化した屋根をリフォームする。
そんな用途で使われるようになりました。
しかし、新築の屋根にはあまり使われないのがガルバリウム鋼板。
その理由は何でしょうか?
新築の屋根にガルバリウム鋼板があまり使われない理由の第一は、断熱性が低いという点が挙げられます。
非常に薄い、さらに熱伝導性が高い金属。
こんなガルバリウム鋼板だけに、外の熱をそのまま室内に伝えてしまいます。
断熱性に難があるのが、ガルバリウム鋼板なのです。
ですから、既存の老朽化した屋根をそのままにして、上から鋼板を貼る。
こんなリフォームでは広く使われる、断熱性は既存の屋根をそのままにできるからですね。
しかし、新しい屋根をガルバリウム鋼板で貼ってしまうと、天井自体の断熱性をあげる必要がある。
すると、そっちの方にコストがかかりますから、せっかくのガルバリウム鋼板のコストの安さというメリットが活かせない。
だから、ガルバリウム鋼板を新築時に用いる住宅メーカーは少ないのです。
しかし、ガルバリウム鋼板の断熱性の低さというデメリットをそのままにしておくわけがありません。
表面を加工して、断熱性をあげる。
そんな工夫がされるようになり、次第にガルバリウム鋼板を用いた新築の住宅も見られるようになりました。
断熱性をあげるために、表面に自然石を砕き塗布したもの。
「天然石粒ガルバリウム鋼板」という長い名前で呼ばれています。
これならば、断熱性も通常の塗装のみのガルバリウム鋼板よりも高くなる。
加えて、雨音が響きにくいというメリットも出て来るのです。
最近では、ガルバリウム鋼板を形成して陶器瓦と変わらない外観を持ったものも登場。
表情に乏しく、和風の建築の屋根材には向かないというデメリットも補われつつあります。
その一方で、屋根材は厚くてもほんの数センチという素材。
こんなものに断熱性を求めるほうが間違っているという意見もあります。
ならば、屋根裏に断熱性を高める工夫をした方がいいという考え方ですね。
屋根材の主な目的は風雨から住宅を守ること。
耐久性だけに着目するというのも、屋根材選びのいい方法かもしれません。
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