北海道は外断熱よりグラスウールが優勢!気になる断熱性は?
最近は省エネ重視の家作りで外断熱工法が人気を集めていますが、グラスウールを使った内断熱工法にも外断熱に勝る長所があります。
実際、冬は氷点下が当たり前!という北海道でも、多くの住宅でグラスウール断熱が使われているのだとか。
極寒の北海道でも快適に過ごすために知っておきたい、断熱材の基本知識について見ていきます。
「断熱材」ってよく聞きますが、具体的にどんな種類があるかご存知でしょうか?
素材や形状、その施工方法によっても家の断熱性は雲泥の差!
今回は代表的な断熱材であるグラスウールに注目してみましょう。
北海道は寒い・・・。
おそらく多くの方はそのようなイメージをお持ちのことでしょう。
実際、札幌市の1月の平均気温はマイナス3.6℃。
旭川市だとマイナス7.5℃ですから、寒いことに違いはありません。
ただ、実際に北海道に住んでいた体験から言えることは、「北海道の家は寒くない!」ということ。
サッシが二重、三重仕様なのは当たり前ですし、建物そのものの気密性が高いので隙間風が入ってくることもほとんどありません。(もちろん物件にもよりますが)
賃貸物件でさえそうなのですが、戸建てとなればなおさら断熱性・気密性にはこだわって建てているものを推測されます。
調べてみたところ、北海道の住宅のほとんどはグラスウールを充填させる断熱法。(いわゆる「内断熱」です)
時代は(少なくとも本州では)外断熱がもてはやされていますので、ちょっと意外ですよね。
というのも、外断熱工法を採用しているメーカーの謳い文句は「グラスウールを使った充填工法よりも断熱性や気密性が高い」というもの。
極寒の北海道ではそれが主流ではないなんて・・・なんだか納得いかないんですけど!?
ここで、断熱材&断熱工法の基本についておさらいしておきましょう!
グラスウールとは、ガラスと砂で作られた繊維状の断熱材のことで、繊維と繊維の間に熱と空気をキープする性質を持っています。
他の断熱材に比べて価格が安いのが魅力で、内断熱工法といえばこの断熱材がメインで使われています。
一方、外断熱で使われるのはポリスチレンフォームやウレタンフォーム、フェノールフォームなどの「発砲プラスチック系」の断熱材。
こちらは、気泡の中に熱や空気を閉じ込めて断熱します。
グラスウールに比べると価格が高めなのがネックで、そのため一般的には「外断熱の家は内断熱よりも高くつく」と言われています。
また、断熱材を厚くできないという弱点があるため、北海道のような寒冷地では不向きだという指摘もあります。
ハウスメーカーさんの中には「省エネ性を高めるなら、断然、外断熱ですよ!」とアピールするところもありますが、グラスウールならではのメリットも多いんですよ。
「防音」という観点から見れば発砲系断熱材よりも優れていますし、なによりシロアリに強い!
これは、高温多湿でシロアリが棲みつきやすい日本の住宅にとっては外せない要素ですよね。
「北海道なら、そんなに暑くはないだろうからシロアリの心配は必要ないのでは?」と思われるかもしれませんが、北海道の夏は本州の人が想像しているより暑いですから・・・!
こうして見てみると、「グラスウール、悪くないじゃん!」「グラスウール×内断熱で十分じゃん」「なんでこんなに外断熱がもてはやされるの?」という疑問もわき上がってきます。
しかし、残念なことにグラスウールには決定的な弱点があるんですね。
それは、湿気に弱いということ。
繊維ですから、吸湿性が高くカビが発生しやすいのだそうです。
「シロアリには強いけど、ダニの温床にはなりやすい家」(ダニはカビが大好物なので)と言っても間違いではないでしょう。
北海道も、本州よりもカラッとしているとはいえ日本であることには変わりませんので、この点はちょっと不安ですよね。
ただ、グラスウールを使った充填工法の場合は外断熱に比べると断熱材の層を厚く設けることができます。
ですから、よほど性能の良い断熱材を使わない限りは、外断熱よりもグラスウール×内断熱のほうが温かいそうですよ。
もちろん、家の断熱性や気密性を左右するのは外壁部分だけではありませんので、窓ガラスやサッシの素材の選び方も重要です。
本州から北海道に移住して家を新築するという方は、まずは建築予定地のご近所さんの家を観察して歩いてみると良いでしょう。
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