庭作り 傾斜地

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ちょっと不便そうなイメージのある傾斜地ですが、傾斜を利用して高低差を生かした奥行きのある庭作りが出来ます。

 

傾斜の斜面に植物を綺麗に配置することで壁面的な演出をしたり道をつくって階段を仕立てたりと、平坦な庭では出来ない庭作りを楽しめます。

 

植物を植えることで土の崩れを防ぐ事も出来ますし、水はけや日陰の調節も出来たりと実は一石三鳥位の効果を狙うことも出来るんです。

 

庭が平ならあまり苦労はないのですが、庭全体が傾斜していたり、建物が斜面に立っていたりすると一般的な庭作りが困難になるように思いがちです。

 

自宅が傾斜のついた坂の頂上と言う場合もあれば自宅の家屋の上に傾斜がある場合もあります。

 

庭は平だけど隅の方が盛り上がっていたり、お隣との境だけが坂になっていたり、と言う事で「庭作りを諦めなくてはならないでしょうか？」と相談に見える方もいらっしゃいます。

 

平らな庭に比べて難しい問題もありますが、デッキを傾斜部に出したり、庭木を植える事で平らなスペースの確保は出来ます。

 

知り合いの家はかなり級勾配の途中に家を建てていたのですが、平らな部分は玄関、駐車場、家屋が占めていて庭の部分はスキーが出来そうな程の斜面でした。

 

ガーデンデザイナーと工務店にお願いしてリビングから繋げた広めのデッキを傾斜にせり出すように作ってもらい、そこにテーブルや椅子のセットと幾つかの鉢を置いています。

 

傾斜の途中まではデッキから階段でおりられるようにしました。

 

斜度の緩やかな場所には広く根を張ってあちこちから脇芽を出すライラックの木を植え、その根元にハーブやすずらん、クリスマスローズを植えました。

 

また勿忘草やコスモス、マーガレットなどの強い宿根草をバラバラと植えてあります。

 

それが坂に沿って毎年勝手に増えてゆき　今では素晴らしい眺めになっていますし、同時に土や水が流れ出すのも防いでいます。

 

またデッキの足元にもクレマチスやハニーサックルなどのつる性の花とアイビーを植えてあって、デッキの手すりに下からつるが上がってきて花を咲かせています。

 

もちろんデッキの安全のために工事は全部プロがやりましたが、その後の植物のアイディアは自分たちで工夫しています。

 

好きな花を植えたいところだけれど、全体の雰囲気を重視して斜面を行かせる植物を選んだのもうまくいった理由でしょう。

 

そこまですごい斜面でなくても庭に少しの傾斜があったり、ゆるやかな坂になっている程度でしたら逆に何でも植えられますね。

 

花を植えなくても緑の葉だけで覆っても素敵です。手入れに行きやすいように道をつけてかわいい階段を丸太で組んでもナチュラルな雰囲気が出ます。

 

ただその場合は葉で覆った地面の部分が湿気で腐ってしまわないようにマメに剪定するか掘り返すかなどの努力が必要です。

 

階段にこしかけて平らな庭全体を眺めるのも素敵ですし、ガーデンライトを差し込んでほのかな明かりを部屋の中から楽しむのも良いですね。

 

ソーラー式の地面に差し込むタイプのライトも斜面に設置すれば遠くからもよく見えるでしょう。

 

土が崩れるのが心配ならばレンガやコンクリートなどで覆ってしまって途中に棚をつけてもらっても便利です。

 

そこに鉢を飾っても良いですし、置物をおいてアクセントにするのも素敵ですね。

 

また斜面の途中に杭を打って平な庭に向けてターフをつけたりも出来ます。

 

お天気の良い時はそこが日陰になって植物を守ってくれますしその下でお茶もゆっくり飲めます。

 

こんな風に考えると傾斜は多少ならばむしろ有ってくれた方が使い道があってイメージも膨らみます。

 

限られた条件でいかに楽しむか、いかに好きな雰囲気の庭を作り上げていくか、それも庭作りの愉しみの一つです。

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